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<超微細レーザー加工コラム第8弾>潤滑性向上

◇表面改質による潤滑性向上検証(摩擦係数低減)

 

レーザー加工を応用した微細テクスチャ加工に関する研究は多くの研究者によっておこなわれてきており、プレス加工や絞り加工の金型や自動車部品の加工面全面に加工油をいきわたらせる為に、レーザー加工を用いてステンレス材表面に微細なディンプル形状を形成する加工技術をご紹介いたします。弊社の所有する超短パルスレーザーであるピコ秒、フェムト秒レーザーを用いることで、ステンレス鋼にバリの無い微細テクスチャの加工が可能であることを明らかにしている。表面テクスチャリングが流体潤滑下においてトライボロジー特性を向上させることが可能であるとされながらもこれまでの研究において表面テクスチャリングの形状や寸法配置などがトライボロジー特性に及ぼす影響は明らかにされていない。

弊社も表面テクスチャリングの形状や寸法・配置がトライボロジー特性に及ぼす影響を評価し、その結果をもとに表面テクスチャリングの効果情報を得ることが重要であると考え、今回の評価試験を実施しました。表面改質とは表面に必要とされる性質を内部とは独立に付与し、加工ワークに対し機能性を持たせる加工技術となる。

今回のトライボロジー評価試験結果について

・回転摺動型摩擦試験機(湿式)

下図のボール・オン・ディスク式測定をおこなった。

測定子:SUJ2鋼球 φ3mm

荷重:50

回転数:100rpm

・測定ワーク(SUS板)

①SUS素材

②ディンプル径φ20μm 深さ5~8μm ピッチ50μm

③ディンプル径φ70~75μm 深さ2μm ピッチ200μm

・測定結果

  • 動摩擦係数μk 基準
  • 動摩擦係数μk 30%向上
  • 動摩擦係数μk 44%向上

 

まとめとして、ディンプル形状を形成することで、潤滑性の向上に繋がる数値がみられました。ただし、実際に活用する環境や潤滑油種類、ディンプルサイズ(穴径、深さ)・間隔・配置など加工条件やパターンが異なることから、環境・仕様に合わせた検証実験をする必要がある。

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