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コラム 第1弾 <レーザー加工史>

弊社では、超短パルスレーザーを使用した微細加工の受託加工サービスを提供しています。

レーザー光のうち、短い間隔で点滅を繰り返すものは「パルスレーザー」と呼ばれます。そして、その中でも発光時間(持続時間)が短く、特にピコ(10-12)秒やフェムト(10-15)秒オーダーのレーザーは超短パルスレーザーと呼ばれます。

 

後のノーベル賞技術によって導かれた加工技術

昨年2018年のことですが、CPAChirped pulse amplification)という方法を考案・実証した、ジェラール・ムル博士とドナ・ストリックランド博士がノーベル物理学賞を受賞されました。1985年の最初の論文発表から33年後のことです。詳細はここでは割愛しますが、この技術はパルスレーザーの短パルス化と高強度化の発展に大きく寄与することとなりました。そして、1990年代には世界中の研究機関で超短パルスレーザー加工が盛んに研究され始めました。

 

日進月歩のレーザー発振器

弊社には15年以上にわたって超短パルスレーザー加工の研究・開発に携わっていた技術者が在籍しています。数年毎に新しいレーザー発振器がリリースされてくるのを見てきました。開始当時に比べると、安定性は格段に向上し、日常的なメンテナンスは大幅に減ったそうです。

当時はまだ産業用の発振器はありませんでした。今よりも出力は低く、ランプ励起のため不安定で故障が多いものもありました。半導体レーザー励起の超短パルスレーザーもありましたが、温度変化やちょっとした振動でモードロックが外れたりするなど、不安定な部分はありました。

2010年代からファイバー励起の超短パルスレーザーが産業用レーザーとして市販されるようになりました。弊社で導入しているレーザー発振器はこれら産業用のピコ秒レーザーとフェムト秒レーザーになります。

 

なぜ超短パルス加工がいいのか?

レーザー加工は、基本的には、光が物質に吸収されることで起こる反応を利用します。レーザー加工というと、ビームが物にあたって、そこが溶けて穴が開いたり、切れたりといういわゆる「熱加工」を想像されるかもしれません。それとは違い、弊社で提供しているのは、「非熱加工」と呼ばれる加工になります。(※正確には、照射の仕方で熱影響は変わります。)

そのメカニズムは、エネルギーが熱に変換される時間は約10ピコ秒と言われていて、それより短い時間で加工することで熱影響が出にくくなることを利用します。それにより、ダメージ(バリ、クラック、やけなど)が低減されます。従って、一般的に熱影響を小さくするにはパルス幅を短くする方向になります。

弊社でのピコ秒レーザーではパルス幅は<15ピコ秒、さらにフェムト秒レーザーを使用して加工することでご要望の品質に応じた高精度な加工を実現します。

 

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