Ultrashort pulse laser

超短パルスレーザーとは

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超短パルスレーザーとは

超短パルスレーザーとは
超短パルスレーザーとは、一般的に、パルス幅がフェムト秒〜ピコ秒オーダーのレーザーに対して呼ばれている名称です。 この超短パルスレーザーを用いた加工の特徴としては、熱ダメージの少ない「非熱・非接触のレーザー加工」ができることです。光のエネルギーが吸収され熱に変換される時間は約10ピコ秒と言われており、超短パルスレーザー加工では、それよりも短いパルス幅を使用するため、熱影響が出にくくなります。そのことにより、バリやクラック、やけなどを低減した「高精度な微細加工」を施すことが可能です。

ピコ秒レーザー・フェムト秒レーザー

1ピコ秒は1psと記載し、1×10-12乗秒(1兆分の1秒)にあたり、1フェムト秒は1fsと記載し、1×10-15乗秒(1000兆分の1秒)にあたります。 光は1秒間に約30万km(地球7周半の距離)進むので、1ピコ秒だと、300μm程度、1フェムト秒間では約0.3μm進むことになり、それぞれ、プランクトンやウイルス程度の距離に相当します。 このように、ピコ秒レーザー・フェムト秒パルスレーザーは極めて短い時間に光が圧縮され、発光するレーザーであり、それを加工に使用します。
超短パルスレーザーとは

レーザーの種類

種類 媒質 特徴 使用波長 応用
炭酸ガスレーザー 気体 媒質はヘリウム・窒素を混合した炭酸ガスであり、放電により励起される 9.6μm(9600nm) 10.6μm(10600nm) 産業用加工(切断・溶接など)
ファイバーレーザー 固体 希土類添加ファイバーを媒質に用いている 赤外線(1030~1070nm) 産業用加工(切断・マーキングなど)
超短パルスレーザー 固体 希土類添加結晶やファイバーを媒質に用いている、そのうちパルス幅がピコ秒、フェムト秒領域のレーザー 紫外~赤外(355~1064nm) ピコ秒・フェムト秒のパルス 薄膜材の切断、微細穴加工、マーキング、多層材への加工、表面改質(撥水加工)
産業用レーザーの名称は分類の枠を越えて様々です。一般的にはレーザー媒質(液体、気体、固体)による分類で呼ばれることが多いですが、媒質形状、励起方式、パルス幅による分類で呼ばれることもあります。 超短パルスレーザーは固体レーザーに含まれます。

熱加工/非熱加工の穴あけ精度比較

熱加工/非熱加工の穴あけ精度比較
非熱加工を行うことにより、加工部周辺にバリがなく、ダメージの少ない高精度な微細加工が可能です。また非接触のため、ワークに対して衝撃や負荷の軽減にもつながります。

「穴あけ」「トリミング」「マイクロテクスチャー」等様々な微細加工に対応

微細穴 マイクロテクスチャー
超短パルスレーザーでは、様々な微細加工に対応できます。「穴あけ」「トリミング」「マイクロテクスチャー」等、お客様がご要望に合わせて幅広い微細形状に仕上げます。また、他のレーザー加工では実現できない、3D加工にも対応しています。 VIEW MORE

薄板(t1.0)加工技術の他工法比較、超短パルスレーザーのメリット

加工方法 コスト/量産性 精度 材質 板厚
エッチング
エッチング液など、薬品の腐食作用により、金属を溶解加工する技術。
原盤の製作コストが比較的安価。 1個~数万個に向く。
精密写真技術により、高精度なパターン製作が可能。バリや歪もない。
SUS、銅、鉄、ニッケル等の金属からモリブデン等の難削材まで対応。
T=0.005~1.0mm
切削加工
金属刃で削る加工。旋盤、MC、穴あけ等。
工数が多いため、1個~1000個に向く。
NC装置であれば、ミクロン単位の精度も可能。
特に制限はないが、軟材質(モリブデン、チタン、樹脂等)加工が難しい。
T=0.5mm~
薄物ではなく、厚物の加工ができる。
プレス
プレス機に取り付けた金型間に材料をはさみ、強い圧力で切断等を行う加工。
金型の製作費が高いが、量産性が良い。数万個以上に向く。
プレス箇所のバリや反りが発生。金型の構造上、精密なパターンは苦手。
幅広い金属を加工できるが、硬い材質の加工は不向き。
T=0.3~5.0mm
CO2レーザー
レーザーの照射により、高温で切断加工をする技術。
金型不要のため、1個~1000個なら安価に加工ができる。
ステンレスの切断寸法は±0.1mm以下。複雑形状カットも可能。
アルミなど加工が難しい材質もある。
T=0.15~6.0mm
超短パルスレーザー
フェムト秒、ピコ秒のパルス幅で照射することで、非熱で切断、穴加工、除去加工、表面改質等を行う加工。
金型不要だが、条件出しに時間がかかる。1個~1000個に向く。専用機であれば数万個対応可能。
ミクロン単位の精度が可能。非接触・非熱加工のため、バリや歪のない加工が可能。
硬い:ダイヤ、脆い:ガラス、軟らかい:樹脂、複合材:CFRPや被膜剥離剤、石英などの透明材、セラミックも加工可能
T=0.01~1.0mm
超短パルスレーザー

超短パルスレーザー使用のメリットを活かし、他工法からの工法転換を提案しています。

  • 材質の対応幅(他工法に比べ対応範囲が広い)
  • 高精度な微細加工が可能(非接触/非加熱でバリカエリを押させる)
  • 少量多品種対応(試作開発品対応・金型不要・低コスト)・・・・等
形状や材質、コスト低減など、お気軽にご相談ください。 TEL:059-227-5511 (超短パルスレーザー担当:江藤まで) CONTACT

シェアLAB.で、お客様の「課題、お悩みの解決」「サンプル加工」も対応いたします。

シェアLAB
当社では、シェアLAB.として「エンジニアと設備装置のシェアリングサービス」も実施しています。 超短パルスレーザー加工装置の導入を検討されている方や、自社の製品製造プロセス、基礎研究用のサンプルやデータの収集をしたい方などに向けていたサービスです。微細レーザー加工でお困りごとや課題がある方は、お気軽にお問い合わせください。 VIEW MORE